今週の一週一言 10月12日~18日 同じ川に二度はいることはできない ヘラクレイトス ヘラクレイトス(B.C.540-480)・・・古代ギリシアの哲学者。エフェソス出身。孤高の生涯を送り、「泣く哲学者」「暗い人」と称される。倫理の教科書的には「万物の根源(アルケー)は火である」「万物は流転する(パンタレイ)」という主張で有名。 |
【如是我聞】
むかしから川をみるのが好きでした。
ぼくの地元の石川県では、霊峰 白山から手取川や梯川が流れ出ています。冬のあいだに降り積もった雪が、春になると清冽な流れとなるのです。ぼくは中学生のころ、ときどき自転車を日本海までひとり走らせて、これらの川が日本海に流れ出る様子をながめに出かけたものです。日本海はこれらの川の流れを黒々と呑み込んでいきました。
大学生のときは、京都の賀茂川のほとりに下宿していたのですが、よく家から仲間とテーブルやら料理やらを持ち出して、ピクニックをしていました。気の置けない仲間との楽しいおしゃべり。それに飽きたらバドミントンやジャグリングをしたり。そしてまた日が暮れるまでお話を続ける・・・。よくもまあそんなに話すことがあったものだと今さらながら思うのですが、これもまた大学時代の良き思い出の一つです。
ほかには東南アジアを1カ月ほど旅したときに、ラオスという国でメコン川をスローボートで遡上するという経験をしました。古都ルアンパバーンを早朝に出発して、小さなボートで延々と大河を遡っていきます。ボートには乗客と、ついでに食料品やビールなどの商品が積み込まれています。川のほとりには地元の子どもたちが水遊びをしていたり、あるいは母親たちが洗濯している様子です。こちらが手を振ると、向こうも手を振ってくれました。そして・・・延々と小舟に乗ることおよそ10時間くらい経ったでしょうか、ちょうど夕陽が沈むころにメコン川上流の小さな村に辿りつきました。発電機で電気を起こしているような、そんな小さな村です。とりあえずメコン川のほとりに腰をおろしてぼんやりしていると、村の子どもたちが興味深そうな顔をしてこちらの様子をうかがっています。ぼくは手招きをして、彼らと一緒に遊ぶことにしました。遊ぶ、といってももちろん彼らとは言葉は通じません。なので、そのへんに転がっている小石などを使った簡単な手品を披露することにしました。結果は、大成功! ラオスの子どもたちはとても喜んでくれました。そんなぼくたちを横目に、夕陽はメコン川を真っ赤に染めて、そして沈んでいきました。
(社会科 舟木祐人)
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