一週一言インデックス

2012年10月23日火曜日

しずかに急げ


今週の一週一言
                                 10月21日~10月27日
しずかに急げ
                    カエサル

カエサル・・・100年頃~前44 古代ローマ平民派出身の政治家。第1回三頭政治、ガリア遠征などで独裁権を得る。『ガリア戦記』などの著作でも知られる。ラテン語でガイウス=ユリウス=カエサル。英語ではジュリアス=シーザー。

【如是我聞】
 カエサルは何を急いでいたのでしょう。「しずかに急げ」の出典は明らかではありませんが、ルビコン川を渡る時に、部下に命じたことばかもしれません。
 私たちは毎日、様々なことに急かされて生活しています。しかし、忙しさを言い訳に、たくさんのことを先送りにしてしまっています。ひょっとしたら、どうでもいいようなことにまで急かされているのかもしれません。では、私たちが本当に急がなくてはならないこととは何でしょうか。
蓮如上人は「仏法には、明日と申す事、あるまじく候う。仏法の事は、いそげ、いそげ」とおっしゃったといいます。私には上人が「何をぐずぐずしているんだ!本当に大切なことに目覚める時は、今をおいてほかには無いんだぞ!」と厳しい顔つきで叱りとばしたあと、一転優しい笑顔で「いそげ。いそげ。」と私たちを励ましてくださっているように思えるのです。本当に大切なこと、そして私たちが本当に急がなくてはならないこと。その答えの一つが本山(東本願寺)の壁面に大書してあります。「生まれた意義と生きる喜びをみつけよう」と。私は本山の前を通るたび、「そうやったなぁ」と思うのですが、通り過ぎるころにはもう別のことに急かされています。いそげ、いそげ。
                       (文責:や)

2012年10月18日木曜日

失敗の最たるものは、何一つそれを自覚しないことである


今週の一週一言
                                  10月15日~10月21日

失敗の最たるものは、何一つそれを自覚しないことである
               トーマス・カーライル


Thomas Carlyle(1795-1881)・・・19世紀イギリスの歴史家・評論家。スコットランド出身。『英雄崇拝論』『フランス革命史』など。


【如是我聞】
 「先生教科書がありません」と生徒。よくよく話を聞くと家に忘れたということが言いたかったそうです。「それは教科書のせいにしたらアカンなー」と諭しながら、こんな譬え話を思い出していました。

人が茶碗を割ったら「あの人が割った」
自分が割ったら「茶碗が割れた」

 わたしも実際、ガッシャーンという音に驚き駆け付けた家族に「お皿割れちゃった」と何回言ったことか。偉そうに言いながらもとっさに「ごめんなさい」が言えないわたしです。知らずのうちに都合のいいものさしで物事をはかっている。ここでは測っているというよりも、くわだてるという意味では謀っているのかもしれません。
 あらゆる面で自分を中心に思う身勝手な心を「我執(がしゅう)」といいます。「自分が」という気持ちが強くなると、ますます「自分を良く見せたい」と思ってしまう。またこれは熱心に学ぶ人ほど深く執着し、傲慢になるというところが恐いところでもあるようです。いつでも初心に立ち返り、心の濁りを明らかにしていきたいものです。
(文責:さ)

2012年10月10日水曜日

生まれるのはやさしいが 人になるのは難しい



                             
10月8日~10月14日


生まれるのはやさしいが 人になるのは難しい
                 フィリピンの諺


【如是我聞】

 わたしは人間のはずなのに、人の間でうまく生きられない。わがままなくせに脆くてどうしようもない。
 普段は嘘と綺麗事で誤魔化して、悪口と二枚舌で強く見せているだけ。本当はものすごく人の目を気にする臆病者だ。そして人と比べて幸せをはかっては、何となくいつもイライラしている。事と次第では何をしでかすかわからない、まったく情けないわたしである。
 しかし、このままではいけないことも十分わかっている。きっとみんなそうだ。得意なこと、苦手なこと、好きな人、苦手な人・・・全てから逃げちゃいけない。わかっているが、それが凄く難しい。悩んだり笑ったり疲れてしまうこともあるけれど、それでも諦めずに長い時間をかけて。私たちは人の間で人になるのだろう。

 生まれた意味は?生きる意味は?いつまで問い続けるのかわからない。けれども今ここに一生懸命になっているわたしがいる。答えは近いはずだ。もしかすると、既に出ているのかもしれない。
(文責:さ)

2012年10月2日火曜日

あなたが他の人々に求める変化を自分で行いなさい


今週の一週一言
                                  10月1日~10月7日

Be the change you wish to see in other people.
あなたが他の人々に求める変化を自分で行いなさい
               マハトマ・ガンジー


Mahatma Gandhi(マハトマ・ガンジー)・・・1869年―1948年。インド独立の父。「非暴力、不服従」による平和を訴え続けた。政治思想家、人権活動家として、世界中に大きな影響を与えている。


【如是我聞】
 「自分と違う考えを持っている人がいたらどうしますか?」という質問に、「一応自分の考えを話して、それでも駄目なら諦めます。」と答えてくれた生徒がいました。わたしが「それは平和ですか?」と問いかけると、周囲もうんうんと頷きました。続けて「そこに愛はありますか?」と聞くと、みんなシーンと静かになってしまいました。
 個性を尊重することがどこかで間違った個人主義へと向かうこともあります。暴力や支配だけでなく、放っておくことも、そこに「わたしが正しい!」という考えがある限り、立派な自己中心的行為ではないでしょうか。
「愛は創造的肯定である」という考え方があります。愛は力とは異なり、その対象の中に入り込んで、それとまた新しいものを創り出します。そこにどちらが年上であるとか、そういったこと(力)は及びません。仏教を学ぶ私たちは常に同朋であるのです。
ガンジーは今も語り継がれる多くの名言を残しています。それらの言葉にはわたしたちが日頃つい忘れてしまう、けれども一番大切にしなければならない他を想う優しい気持ちが込められています。まずはわたしたちから開いていきましょう。「握り拳では握手できない」のですから。
                         (文責:さ)

内に目をむければむけるほど 外の世界が広がってくる 不思議な目

一週一言 9 月 4 日~ 9 月 10 日                                   内に目をむければむけるほど 外の世界が広がってくる 不思議な目 鈴木章子    鈴木 章子 ( あやこ ) ( 1...