一週一言インデックス

2016年12月19日月曜日

今年は計画的になまけていたんだ。

今週の一週一言
                                  12月12日~
 今年は計画的になまけていたんだ。
  日本広しといえども、このような言葉が伝道掲示板で紹介されるのは大谷くらいでしょう。素敵です。(編集担当)
野比のび太・・・小学4~5年生の少年。『ドラえもん』の原作で唯一全話に登場する。                   
【如是我聞】
『ドラえもん』がこよなく愛される理由の一つに、登場人物が決して赤の他人に思えないというのがある。もちろんドラえもんは夢と非日常の象徴であるが、私の周りにはのび太もスネ夫もジャイアンもいる。源の靜香ちゃんものび太のママもパパも出木杉君も。そしてこの私はどうかというと、それぞれのキャラの際立っている部分を時に少しずつ、時に大いに兼ね備えているように思えて仕方がない。
 たまにうまくいくとすぐに自慢したくなる。我儘が過ぎて恥ずかしげもなく横着になる。みんなとうまくやっていきたいと思うあまり、日和見主義の八方美人になる。嫌なことは徹底的に先送りする。なんともはや、我が身はドラえもん登場人物の縮図である。
 ちょうど30年前、大学を出てすぐの頃、京大で開かれていた5夜連続の公開講座に出かけた。作家で「ベ平連」の小田実氏の話に熱くなったのを覚えている。翌日は名前すら知らなかったのだが、上智大学の神学教授、ルーベン・アビト氏であった。講演の中で「現代人の抱える病」という話が出てきた。それは「常にアリバイを用意していないと不安になる」というものであった。当時は「大人というのはそんなものなのか」ぐらいにしか思わなかったが、50歳を過ぎ、まさにその症状を自覚することが増えてきた。「こう聞かれたらこう答えよう」、「ここを責められたらこう返そう」、「こういう状況に陥ったらこういうことにしてその場をやり過ごそう」、、。つまりはそういうことである。
 のび太の発言には用意周到なアリバイの匂いは感じない。その場で思いついて口にしたのであろう。その点において、かなわないのだが、やはり言い訳が口に出るときは恥ずかしい自分が全開なのである。しかも悪いことに、「それなら仕方ないな」と言ってもらえると信じている。うそが通用すると。
 アリバイを用意する必要性を感じるということは、「こんなことでいいのか」と自分のしていることにどこか自信が持てていないのであろう。また、自分の事は棚に上げて、「世間には責める人が多くてやってられないわ、ふんとにもうっ!」という愚痴と共に生きているのだろう。
 和田(しげし)という真宗の仏教者に、次の言葉がある。禅の教えを深く学ばれ、その後、その先生に随行して真宗に深く学ばれた佐野明弘という先生が、真宗の僧侶のあまりにも怠惰な振る舞いについて尋ねられたとき、少しく沈黙されたのちにこう言われたという。
 言い訳もせず、ごまかしもせず、正当化もせず、開き直りもせず、あきらめもせず。
かくありたい。でもなあ~。のび太がいいな~。   

(文責:宗教・英語科 乾 文雄)




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