一週一言インデックス

2015年10月23日金曜日

おだやかな人生なんてあるわけがないですよ

今週の一週一言
10月19日~10月25日

おだやかな人生なんてあるわけがないですよ
 「ムーミン」 より スナフキン


スナフキン・・・「ムーミン」に出てくるキャラクター。ムーミントロールの親友。服を着て靴を履いており、人に似た姿だが、手が四本指、しっぽが描かれている。自由と孤独、音楽を愛する旅人。クールで物事を所有することを嫌う。冬の来る前に南へ旅立ち、春の訪れとともにムーミン谷に戻ってくる。

【如是我聞】
 先日、卒業生の結婚パーティーに呼ばれ、行ってきました。私がその子たちを受け持っていたのは、彼女たちの中学三年間で、もう11年前のことになります。今は社会人として、様々な仕事に就いて頑張ってくれています。その姿を見ただけで安心し、ほろっとしてしまいました。
というのは、彼女たちの中学時代は、友人同士のいざこざなど、毎日のようにいろんな事件を起こし、よく指導していたからです。私にも彼女たちにとっても、穏やかという言葉からはほど遠い生活をしていました。卒業後も、彼女たち自身には試練と言われるようなことがあり、心配したことがありました。そういった経験を積んだ彼女たちと再会し、まだまだいろいろあるんだけれども、穏やかで優しい顔になったのを見て安心しました。彼女たちとの関わりに、ようやくひと段落がついたのだと思いました。

このテーマで文を書くことになり、「穏やかでない」時のことを考えてみました。悩んでいる時、困っている時など、どうしても悪い方に考えてしまう。一方で、嬉しすぎてドキドキしてしまう時も穏やかに過ごせていないことになる。そう、喜怒哀楽で心が揺さぶられている時は「穏やかでない」のです。様々な経験を積むことによって、しんどい思いをして心身ともに鍛えられていくと、ちょっとしたことでは感激しなくなったりする。そう、慣れていくことによって、穏やかなままでいることが多くなっていくのではないのでしょうか。
アラフォーと言われる世代に突入した私ですが、まだまだ心揺さぶられることが多くあります。結構いろんなことを体験してきたと思うのに…。まだまだ人生の試練が待っているんだろう、覚悟しないといけないんだろうな。ああ、辛い。いやいや、暗いことばかり考えていてはいけない。もっといいことに出会える人生が待っているに違いない! とびっきり良いことが起こって、びっくりすることがあるに違いない!!
そう考えると、穏やかな人生を求めるのは、もう少し後でもいいかな。人生を全うするときまで来なくでもいいかなと思いました。

(文責:数学科 中山 香里)




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2015年10月5日月曜日

常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションだ

今週の一週一言
                                  928日~104
 常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションだ
                    アインシュタイン

アルベルト・アインシュタイン(1879~1955) ・・・ ドイツ生まれのユダヤ系理論物理学者。相対性理論を発表。ナチスの迫害をさけて、1933年アメリカに亡命し、戦後は平和運動に努めた。

【如是我聞】
 母親にしかられるときの決まり文句がある。「あんたなぁ、常識的に考えてみられぇ!分かるじゃろ!」。これを言われたときに思うことはいつも同じ。「そんなん言われても知らんかったんじゃもん!一般常識だろうがなんだろうが、知らなかった私にとっては常識じゃない!」。もちろん怖いから、口に出したことはない。父親は父親で、「○○○は知ってるよね?」とよくたずねてくる。たいがい知らないことが多いので、「ううん」と答えると、沈黙が返ってくる。この沈黙が長いので、「それって有名?」と聞くと、「……。一般的な常識かもしれないね」と、遠慮がちに言われる。少し残念そうな顔で。…母親にしかられるより、なんとなく哀しい。
 そんなわけでというのもおかしいが、「常識」という言葉は昔から苦手だ。だからアインシュタインのこの言葉に出遭ったとき、大きな味方をつけたみたいで少し嬉しくなった。そういう意味じゃない!とアインシュタインに怒られるだろうが。だが実際、常識とは、何をもってそう呼ぶのだろう。常識のない人間と言われたくはないが、いかにそのことが当たり前で大勢の人に共有されていても、それにたまたま出遭わず、知らないままで大人になることも多い。結局のところ、人によって常識の範囲は異なるのではないか。
 まぁしかし、きっとそんなのは言い訳だ。ものごとを知らなすぎる自分を棚あげした、子どもの考える屁理屈にすぎない。ともあれ、そんなことをブツクサ思いながら大人になった私もまた、今まさに、教壇で偉そうな物言いをしているのだろう。ついつい口にしてしまう、「○○○ってよく聞くよね?」という言葉。キョトン、とされるとなんだか残念な気持ちになってしまう。共有できなかったのがなんだか寂しいのだ。苦手だった「常識」を、今度は何気なく誰かの前にちらつかせている。大勢が知っていそうなことを自分は知っていて、それを知らない誰かを相手にすると、「そんなことも知らないのか」と上に立ってしまう。なんのことはない、結局自分本位な私を見つけただけだった。

                            (文責:社会科 草地)




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内に目をむければむけるほど 外の世界が広がってくる 不思議な目

一週一言 9 月 4 日~ 9 月 10 日                                   内に目をむければむけるほど 外の世界が広がってくる 不思議な目 鈴木章子    鈴木 章子 ( あやこ ) ( 1...