一週一言インデックス

2023年5月30日火曜日

遠いものは大きく、近いものは小さくみえるだけのこと

今週の一週一言

月21日~5月27日

遠いものは大きく、近いものは小さくみえるだけのこと

耳をすませば バロン 

 

耳をすませば…スタジオジブリのアニメでも知られる、柊あおいのベストセラーコミック。1989年に少女まんが雑誌『りぼん』で連載。

                                 

 

【如是我聞】

 

「残念―。今日の12位はうお座のあなた。ラッキーカラーは赤、ラッキーアイテムはアロハ柄のものです!」赤のアロハ柄…。あったら良いが、なかったら最悪の一日。そんな時は必殺、別のチャンネルの占い!今度は10位くらいだったりして、ホッとする。

 

 今日一日くらいならまだしも、月刊誌では今月のわたしが決まってしまうし、手相なんて一生!?もう油性ペンでシワを書き足したい。幸運のメイクに幸運のブレスレット…全部やったらキリがないが、一個より二個のほうが効果がありそう。

 

未来への不安は尽きない。しかし救われたい一心でわたしの主体性がなくなり、わたしの生き方が見失われることがある。そういう生き方を親鸞聖人は「悲しきかなや道俗の 良時吉日えらばしめ 天神地祇をあがめつつ 卜占祭祀つとめとす」とおっしゃった。

 

わたしたちは生まれながらに自分さえ良ければという煩悩を身にまとっている。それはまるで甲冑を着ているようであり、その姿を煩悩具足という。その甲冑の重さで身動きが取れなくなってしまっては意味がないのではないか。わたしがわたしらしく生きるために、わたしの弱さを知ることも大切なのかもしれない。

                                 (宗教・英語科 髙橋愛)





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2023年5月18日木曜日

ケシゴムの本当の役割は 間違いを消すことじゃなくて、間違えたっていいんだよって、 えんぴつを安心させることだ

今週の一週一言

                                  515日~522

ケシゴムの本当の役割は

 間違いを消すことじゃなくて、

   間違えたっていいんだよって、

えんぴつを安心させることだ

                      「ケシゴムライフ」より                                

「ケシゴムライフ」・・・2014年出版されたコミック。 日本初の漫画家育成ファンドの対象作品。 本当に人はずっと孤独なのか・・・。どこにでもあるような普通の高校を舞台に、青春の時を過ごす高校生たちのつながりを爽やかに描く、オムニバス形式の短編集。著者は羽賀翔一(1986~)。茨城県出身。学習院大学卒。2010年『インチキ君』で第27MANGA OPEN奨励賞受賞。 現在Twitterで「お題マンガ」として日々1ページ漫画をアップしている。

 

【如是我聞】

 

五月病の季節になった。予防には、腸内環境を整えるのがいい、と朝の情報番組で耳にした。それには発酵食品! 納豆や味噌汁、そしてヨーグルトらしい。どれほど前になるのか、カスピ海ヨーグルトなるものがはやった。たしか、我が家でも母が製造していたように記憶している。しかし、自家発酵させると毒化する可能性があり危険、という専門家の意見で一気に消え去った。発酵にもいろいろあるようで、それで体内環境を薄幸にさせるわけにもいかぬ(ダジャレです)。

人間が生きていれば、間違いも犯すし、傷も負う。問うまでもなくネガティブなことだが、実は意外と「傷」には「毒」ばかりではなく、効用も存在している。

消える間違いと消えない間違い。最近はICT化の暴走で、ずいぶんと消えなくなった。でも、もともと消えないものじゃなかったのかな。気分転換も忘却も処方箋としては大はずれ。あまたの細菌が繁殖しだす。じっくりと自分で塩を塗っていくのが、荒療治でも正解か? 間違ったり、傷付いたり、でもそこが足場になれば自分自身は変わっていけるかもしれない。

“あのこと”によって今の僕がある、と言えれば発酵完了ということになるのだろうか。

 

                         (文責:国語科・宗教科 曽我)





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2023年5月9日火曜日

しんのすけ とうちゃんが人生で一番幸せだと思ったのは お前とひまわりが生まれたときだ

今週の一週一言

58514

「しんのすけ とうちゃんが人生で一番幸せだと思ったのは

お前とひまわりが生まれたときだ」

野原 ひろし(「クレヨンしんちゃんより)

野原 ひろし

 漫画「クレヨンしんちゃん」の主人公、野原しんのすけの父親。一家の大黒柱として家族を支える。家族を傷つけるものや、悪に対しては立ち向かっていく正義感の強さの持ち主であり、情に厚く、涙もろい性格である。

【如是我聞】

 かくばかり 偽り多き世の中に 子の可愛さは誠なりけり

この4月、我が家に大きな変化が訪れた。私が定年を迎えたなどというのは小さなことで、一人娘が家を出たことが一大事であった。「家を出た」と言っても、むろん家出した訳ではなく、就職で一人暮らしを始めたわけである。

 娘はもう二十六歳なので、順調にいっていればもう3~4年前には社会に出ていたはずなのだが、それが(詳細は省くが)いろいろあって今年まできてしまっていた。本校でも何年も前から、娘と同年の先生が何人も勤めておられ、皆さん立派に働いておられるのを見るにつけ、それに引きかえ…といつも思っていたが、ついに遅ればせながら娘も社会人の仲間入りを果たしたのである。

 会社を選ぶ際、京都という選択肢もあったようで、迷っている様子だったが、娘は結局、勤務地が遠いほうの会社を選択した。実のところ私としては、家から通えるところを選んだ方がよいのではと思っていた。というのは、娘はいい年をして炊事洗濯や掃除といった家事全般のことはみんな親がかりで、自分はほとんど何もしていなかったので、大丈夫かなという不安があったのだが、本音を言えば家にいてほしいというのが第一であった。しかしながら、親のエゴを押しつけて、せっかく自立しようとしているのを妨げてはいけないと思い、やせ我慢をして口をつぐんでいた。

 3月末にバタバタと引っ越しを済ませ、その後いったん帰ってきて、この4月の初めにいよいよ本格的に家を離れるということになり、駅の改札で見送って姿が見えなくなった後、寂しさがこみ上げてきて不覚にも涙がこぼれた。妻と二人だけになってみると、娘のいた部屋はガランとして、そこだけポッカリと穴があいたようである。

 冒頭にあげたのは、「藪入り*」という落語のマクラで必ずと言っていいほど用いられる狂歌だが、子どもがいくつになっても、どんなに成長しても、親の思いはこのとおり不変であろう。

ウチの娘もこの連休に初めての藪入りを迎える。いまは夫婦ともそれを心待ちにする毎日である。

*藪入り…昔の奉公人が年に二回、盆と正月にだけ休みをもらって実家に帰ること。

(左溝)





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内に目をむければむけるほど 外の世界が広がってくる 不思議な目

一週一言 9 月 4 日~ 9 月 10 日                                   内に目をむければむけるほど 外の世界が広がってくる 不思議な目 鈴木章子    鈴木 章子 ( あやこ ) ( 1...