一週一言インデックス

2015年9月7日月曜日

世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

今週の一週一言                           
月7日~9月13日
世界全体が幸福にならないうちは
            個人の幸福はあり得ない
宮沢賢治...詩人、童話作家。1896年8月27日岩手県生まれ。1933年没。郷土岩手に基づいた創作を行い、作品中に登場する架空の理想郷に、岩手をモチーフとしてイーハトーブと名付けた。生前刊行されたのは『春と修羅』・『注文の多い料理店』だけであったため、無名に近い状態であったが、没後に草野心平らの尽力により作品群が広く知られ、世評が急速に高まり国民的作家となっていった。

【如是我聞】
宮沢賢治は、30歳のとき花巻農業高校の教員を辞め、農民とともに生きる決心をした。そして、昼は鋤を手に夜は農民相手に勉強会を開いた。その教科書の冒頭に「世界全体が幸福にならないうちは 個人の幸福はあり得ない」と書かれていた。
まず、宮沢賢治の言う「個人の幸福」とは何かを自分なりに考えてみた。おなか一杯ご飯を食べたいとか、お金をたくさん稼ぎたいとかいう欲望だろうか。人が欲望を満たしたとき、個人の幸福を得ることができるのかと考えると何か違うように思う。次に、私自身にとって幸福なときとは何かを考えてみた。教員として毎日の生活を送っている私は、生徒が達成感を得てうれしそうにしているときに感動を覚える。生徒が目指していた大学に合格したとき部活動で大切な試合に勝利したとき、自分が少しばかりかかわったことで人が喜んでいる様子を見るときが幸福なのだと思う。個人の幸福とは、自分のこれまでの経験を考えても誰かが幸せになることによって得られるのではないかと考える。
世界全体という広い世界を考えるのは少し難しいが、この学校のことを世界ととらえたときこの学校全体が幸福にならなければ生徒・教職員の個人の幸福も得られないのだろう。賢治は、今まさに私たち学校に関わるものすべてに必要なことを伝えてくれているのだと考えたい。

先日、テレビで放映されていた映画「 STAND BY ME ドラえもん 」を見てあるシーンが心に残った。しずかちゃんのお父さんがのび太クンとの結婚式を翌日に控えた娘に対してこんな言葉を話していた。「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる。それが人間にとって一番大切なこと・・・それができるのび太クンを選んだ娘を誇りに思う」と。これといった取り柄がなくても、人の幸せを願うことができる人たちがたくさんいる世の中になればこれほど素敵なことはないと私も思う。                         (社会科  北畑賢一郎 )




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