今週の一週一言 7 月6日~7月12日 逆境も 考えようによっては 素晴らしいもの シェイクスピア( 1564 ~ 1616 ) … 英国の劇作家、詩人。英国ルネサンス演劇を代表する人物。 市会議員を務めた父と、上流階級出身の母を持ち、きわめて裕福な家庭環境に育つ。卓越した人間観察眼からなる心理描写によって、優れた英文学作品を残している。主な作品は『ロミオとジュリエット』、『マクベス』、『オセロ』、『リア王』、『ヴェニスの商人』、『真夏の夜の夢』など。 【如是我聞】 自分が『逆境』と呼ばれる状況の真っただ中にいるときに、こんなことを言える者はいない。他人からこう言われたら、言う側は慰めてくれているつもりかも知れないが、こちら側の心には何も響いてこない。ともすれば、「何言ってるの ?! 私の苦悩の、何が分かってそんなノンキなことが言えるわけっ ?! 」とキレてしまうかもしれない。自作の劇脚本中でこんなことを言っているシェイクスピアだって、実際に自分が逆境の真っ只中にいたときに、こんなノンキなことを言ったわけではないだろう。素直に「逆境もイイじゃないか ! 素晴らしいよ ! 」などと本気で思えるとしたら、それは自分がすでに壊れてしまっている証拠だ。実は、この壊れてしまうということが、次のステップに進むミソなのだが。 ところで人には、困ってどうしようもなくなったら、悲しすぎて何も考えられなくなったら、思わずゲラゲラと笑ってしまうということがある。ゲラゲラと大笑いしなくても、「ハハっ、これは困ったぞ。アハハハハ ! 」というような、そんな経験はないだろうか。――これは、心が一時的に壊れてしまっているサインで、それを修復するために体が反応しているらしいのだ。ちょうど、ひどく驚いたときに、思わず悲鳴を上げてしまうのに似ている。声を上げるために、一瞬で深く息を吸いこみ、声を上げることで深く息を吐いて、無意識にリラックスさせるために深呼吸を行わせ、緊張感から解放する。悲しみに暮れて、あるいは困り果てて泣くときも同じだ。声をあげて泣いても、しゃくりあげるように泣いても、常に深い呼吸を伴っている ――心と体の共同作業システムによって、平常心を取り戻すようにできているのだ。 さて。事態の深刻さや過
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