一週一言インデックス

2014年11月5日水曜日

百聞不如一見

今週の一週一言
                                  
11月4日~11月9日
   百聞不如一見             『漢書・趙充国伝』より
『漢書』・・・後漢の歴史家班固が著した前漢の正史百巻。西暦八十二年頃成立。
【如是我聞】
皆さん、一度は聞いたことのある「百聞は一見に如かず」です。漢字から直訳すると、意味は「百回聞くよりは一回見た方が良い」となるわけですが、「他人から聞く」「自分で見る」という視点が入って、「他人から聞くよりは自分で見る方が勝る」という意味合いで使っている人も多いと思います。(百と一の割合は、そこまで・・・・と思うのは私だけ?)
 漢書の原文はこの「百聞不如一見」で終わりなんですが、実は続きがある、というより、おそらく日本に渡ってからひと工夫した人がいたのでしょう、こう続きます。「百聞不如一見」の後に、「百見不如一考」「百考不如一行」「百行不如一果」。つまり、簡単に不等号を使って表すと、「聞く」<「見る」<「行う」<「結果を出す」となります。私のこの4行の解釈は、「見る」で止まるな、行動に移せ、結果を出せ、という脅迫的な意味ではなく、「結果」には様々なプロセスとご縁がある、という逆からの見方で、4つセットを大切にしています。
 昨今、和食に代表されるように、先祖代々の先輩たちが築いてきて下さった「和」の文化の素晴らしさが取り沙汰されていますが、こういった一歩踏み込んで更に工夫する能力は、次世代に受け継いでゆかねばなりません。
では、私もこの4行に一歩踏み込んでみることにしましょう。最初の「百聞不如一見」の前に、「自分の殻に百回閉じこもって考えるよりも一回人の話を聞く」、つまり、「百閉不如一聞」。また、最後の「百行不如一果」の後に、「自分に対する百回の結果よりは、他人に対する一回の奉仕(行い)の方が・・・・」。ここまでいくと、漢字でどう表したらいいかわかりません。
ただ、こんなふうに考えていくと、最初の行き着く先も最後の行き着く先も、同じところのような気がしてなりません。私は仏教を深く勉強したわけではありませんので、使い方はおそらく間違っていると思いますが、「無」という漢字が一番近いような気がします。

更に更に、数学の一教師の端くれとして、これを数字の世界に当てはめてみると、+∞と-∞は同じ実体のように思えてくるから不思議です。        (数学科:梅垣)


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