今週の一週一言
7月28日~8月24日
想像力は知識よりもっと大切である
Imagination is
more important than knowledge
アルベルト・アインシュタイン・・・1879~1955、ドイツ生まれ。ユダヤ人の理論物理学者。1921年ノーベル物理学賞受賞。相対性理論・光電効果の解明など、輝かしい業績を持ち、20世紀最大の物理学者とも、現代物理学の父とも呼ばれる。
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【如是我聞】
同じ読みの「創造力」という言葉がある。昔、中高校生の頃にはこの言葉のほうが大切だと思い込んでいた。「想像する」という行為は、当時の夢見がちな自分への自戒をこめて、行動の伴わない一種の逃避行動であるかのように思っていた。ただぼんやりと考えているだけでは何も始まらないと。この先自分が生きていく世界のありようを理解し、いろんなものを作り上げていくのに必要なのは知識の集積とそれに基づく創造なのだと。
ジョン・レノンの「イマジン(Imagine)」という歌を初めて聴いた(中3だったか、高1の頃だっただろうか)ときも、理想の世界を想像しようという呼びかけに共感を覚えたが、「想像するだけでは何も変わらないよな」と思っていたし、その中でジョン自身が “You may say I’m a dreamer.”(君は僕を夢想家だというかもしれない)と歌っているのを聞いて、「その通り」だと突っ込んでいた。
しかし、いつの頃からか、自分の学びの限界を感じた頃からだろうか、それとも教壇に立たせてもらうようになり、知識をただ詰め込もうとする生徒の姿を目にして、教えるということはただ知識を伝えるだけでは十分ではないと感じ始めた頃からだろうか、実は想像力こそが人や世界を動かす、あるいは必要なときには立ち止まらせる原動力なのではないかと思うようになった。
このアインシュタインの言葉はさらに「知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む」( ,for knowledge is limited while imagination embraces the entire
world.)と続く。知識は有限であり、そこからは当然限られた範囲のものしか生まれてはこない。ところが、想像力はこの世界を包み込むほどに大きく、「無」から「有」を生み出す原動力なのだと。
ジョンは、「夢想家だ」と突っ込んだ私のような人にさらに続けて呼びかける、”~but I’m not the only one. I hope someday
you will join us. And the world will be as one.”(でも 僕は一人じゃない。いつか君も仲間になってほしいし、そうすれば世界は一つになるのだ) と。
Imagine all the
people living life in peace
(想像してごらん。すべての人たちが平和に暮らしているのを)
この歌から40年余りが過ぎたが、残念ながら、まだその世界の実現には至らない。
(英語科:辻)
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