一週一言インデックス

2013年11月5日火曜日

慚愧あるが故に 名づけて人となす。

今週の一週一言
11月5日~11月10日
                                 
 慚愧(ざんき)あるが(ゆえ)に 名づけて(にん)となす。
涅槃経(趣意)・・・釈尊の最後の旅、入滅、遺骨の分配などの様子を伝える。
           東晋の僧、法顕によって『大般涅槃経』として漢訳された。                    

【如是我聞】
東京スカイツリーは2011年にギネス認定された世界一高いタワーだ。東京の新名所として多くの人が訪れている。最も高いところで634m。でも私たちが行くことができるのは450mまで。それも床が450mなのか、天井がそうなのか。最近チラッと「東京スカイツリーから見る夜景」を組み込んだツアーの広告を見た。でもせいぜい450メートルでしょ…それほど感動するだろうか。比叡山なら848メートルあるのでこちらのほうが高さはうんと高い。
 ならば世界文化遺産に登録された富士山。こちらは高さ3776メートル。ここから見る夜景はきれいなことだろうと思って登った人の話に聞くと、きれいなのは日が出ている間の自然の景色のほうがきれいだと思うよ、とのことであった。なるほど、それはそうかもしれない。朝日が昇ってくるところを多くの人が目指したいと思う気持ちもわかる。
 ではずっと高く行って、宇宙から見た地球の夜景はどうか。私たちはそれを映像でしか見られないが、宇宙飛行士ならば自分の目で見ることができる。日本人宇宙飛行士として二度、宇宙に飛び立った毛利衛さんは次のように言っている。「シャトルから見た日本は夜の地球の中でひときわ明るく、列島の形がくっきりと浮かび上がっていた」。このあとに毛利さんはどのような言葉をつなげたと思いますか?「他国のクルーと見ていて恥ずかしかった」。私はこの「恥ずかしい」という気持ちには大事なことが含まれていると思う。明るいのは人間が大量にエネルギー消費をしているためだ。そのエネルギー消費の弊害は既に地球規模の問題なのに、さらに消費規模を拡大しようとし、それをよしとしているのではないか。日本だけじゃない、アメリカだって、中東だってなどと言ってはいけない。それこそ「恥も外聞もない」ことだ。ここで人間が自らを振り返らず、「恥ずかしさ」もなくしてしまったらどうなってしまうのだろう。


                        (文責:宗教・国語科 佐々木)

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