一週一言インデックス

2013年5月30日木曜日

月かげの とどかぬ里はなけれども ながむる人の 心にぞすむ

今週の一週一言
                                  月27~6月2日
 
 月かげの とどかぬ里は なけれども 
   ながむる人の 心にぞすむ
                法然上人    

法然房源空・・・1133年岡山県生まれ。僧侶、浄土宗開祖。幼少時に武士であった父が討ち死にし、比叡山に登る。43歳の時、善導の言葉によって回心し、比叡山を下山、以来東山吉水で念仏の教えを説いた(浄土宗立教開宗)。興福寺奏上をきっかけに、1207年、後鳥羽上皇により念仏停止の断が下され、土佐に流罪となる。赦免され1211年に帰洛するが、翌年80歳で死去する。                   

【如是我聞】
 実際に目に見えるものだけが世界であり、自分の目に見えないものは存在しない。そして、そのことに疑いを持たないのが、我々である。してみると、我々はずいぶん狭い世界に住んでいることになる。
 京都駅を8時に出発する電車は、8時3分に東福寺駅に到着する。それから10分歩けば大谷高校だ。大谷高校に行くことを目的にしている人間に見えている世界はこれだけである。
しかし、電車は突然降って湧いてくるものではない。線路も勝手に轢かれていくものではない。駅もいきなり現れ出るものではない。つり革も、ICOCAも、路も、人も。なのに我々はどうしても今見えている世界にこだわる。時刻表の数字に左右される。8時ちょうどに出発するはずの電車がいつまでたってもやってこない。それが極めて受け入れ難いのだ。見ようとすれば見えるはずの世界を見ようとしていないのかもしれない。
花の絵を描いてみる。花だけを描くと何とも寂しい。茎をつけ葉をつけ、大地を描き込み、太陽を描き、雲も加えてみる。そして花を見ている私を。風の音が聞こえる。世界はどこまでも広がっているのがわかる。果てしなく広がる世界があるのだ。そしてふと、そこに懐かれている私に気づく。
それまで存在しなかったものに出会うことを成長というのだろう。

                               (文責:そ)

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