今週の一週一言 3月4日~4月7日 ごめんなさい には理由がないときもある 三角みづ紀 三角みづ紀 鹿児島県出身の詩人。20歳のときに膠原病を発病し、郷里である奄美大島での療養中に詩の投稿を始める。 |
【如是我聞】
家族というものは特別だけど、なんだか照れ臭い。社会人になったときぐらいから一気に距離を置くようになった。おそらく自分の中で「社会人たるもの、親に頼らず自分で全てするものだ」というような思い込みが強かったのかもしれない。「〜しようか?」と聞かれても、「別にいい」と短い返信をするだけだ。何かしてもらっても「ありがとう」と直接言うのは少し恥ずかしいから、いつも "Thank you." と返す。
先日、母親から病院で、胃に異変が見つかり再検査の必要があると言われたと連絡が来た。胃癌の可能性もある、と。ああ、親もいつまでも若くはないのだな。あまり意識してなかったが自分が歳を取る分、親だって当然歳を取る。もし、大病だったら、どうしよう。まだ親孝行なんて何もしてないのに。というか、そういうのはちょっと恥ずかしいのに。幸運にも再検査の結果何もなかった。
年末に実家に帰省した際、思い切って「今度一緒に旅行いかない?」と両親を誘ってみた。トントン拍子に話が進み、今度の春休みに行くことになった。
家族というものは特別だけど、なんだか照れ臭い。まだまだ改まって「ありがとう」というのはちょっと気恥ずかしいけど、一つ自分のしたかったことができて成長できたような気がする。
(英語科 崎中)
>>> トップページへ https://www.otani.ed.jp