今週の一週一言 1 月 31 日~ 2 月 6 日 否定と出会うことが出発点である。 ジークムント・フロイト ジークムント・フロイト (1856 - 1939) オースオリアの心理学者、精神科医。精神分析学の創始者として知られる。フロイトが提唱した理論は、後世の精神医学や臨床心理学の基礎となっているだけでなく、現代文学・芸術・哲学にも大きな影響を与えたことでも知られる。 【如是我聞】 しかし、いつからだろうか。否定することが「=悪いこと」となってしまったのは。 いつからだろうか。否定的な意見に対して、これほど弱い私になってしまったのは。 はじめに言っておきたいことがある。この言葉は、誰かを否定した人が、それを肯定するための根拠として用いるものではない。特にただ立場的に上にいるだけの存在が、自分とは考え方が違うなどといった理由で立場的に下の人の存在までも全否定しておいて、拗ねたり落ち込んだりする相手を見かねては「昔の偉い人も言うてるけど、否定されることでそれが出発となることもあるんや。言うてもらえただけでもありがたいと思いなさい」などと、その否定を正当化するような使い方はじぇったいしてはならない。この言葉は否定された人が「これが私の新たな歩みの始まりになる」、そう受け止めることができるかどうかという問題でしかない。 30 年以上前になるが、東京の語学学校で働いていた時、休み時間に一人の生徒さんが泣きながら事務所に入ってきた。対応に当たった人に後で話を聞くと、授業で講師から言われたことに納得できず腹が立って泣けてきたのだという。それはかなりのハイレベルなクラスで、毎回英語のみで 50 分間ディスカッションをする授業だった。彼女はその日のテーマについて一生懸命予習をしてきて、一生懸命自分の考えを言ったのだが、それに対する講師のコメントが「 I don’t think so. I can’t agree with you. (私はそうは思わない。同意できない) 」だったというのだ。職員に言いたいことを聞いてもらえたからか、 30 分ほどで彼女は帰っていった。 別の授業を終えて戻ってきて、学監(校長)か
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