一週一言インデックス

2024年2月7日水曜日

もう終わりだと思うのも、 さぁ始まりだと思うのも、どちらも自分である。

今週の一週一言

月5日~2月11日

もう終わりだと思うのも、

さぁ始まりだと思うのも、どちらも自分である。

フェデリコ・フェリーニ

フェデリコ・フェリーニ(19201993)

 イタリア生まれの映画監督。「映像の魔術師」の異名を持つ。小説の挿絵画家、新聞の寄稿、ラジオ・ドラマの脚本などさまざまな職業を経て、脚本家として映画界入りを果たした。

【如是我聞】

ゲームのキャラクターはコンティニューを選ぶことが出来る。何度やられても立ち向かうチャンスをくれる。だから様々な選択肢からいくつも試すことが出来る。実世界で覆すことが出来ない結果を目の当たりにしたとき、もちろんコンティニューは出来ない。受験で失敗した、試合で負けた、絶望を感じて「終わった」と思うとき、立ちはだかる言葉はゲームオーバーなのだろうか。

中学、高校、大学と競泳に打ち込んでいた私は、いいタイミングで怪我に悩まされていた。

中学では体が成長してタイムも伸びて、これからだという時に両足の太ももの肉離れを起こした。すぐには治らないため、満足な練習が出来ず、その年の結果は散々だった。大学は、ハイレベルな環境で体に鞭を打ちながら取り組んでいると、三年目に膝を痛めた。普段の生活にも影響が出る痛みで、満足に力を入れることが出来ず、最後の一年は思うようにいかなかった。怪我をした時はかなり落ち込んで、中学の時のショックは高校に入っても引きずった。絶望の淵に立たされている私をみて、周りはいつも笑顔で接してくれた。怪我をした時も、タイムが悪い時も、いつも決まって「とりあえず楽しんでこう」と言ってくれた。最初はすぐに受け入れることは出来ず、自暴自棄になっていたこともあった。それでも周りの人はいつも笑顔で、楽しめるように声をかけてくれた。かけてもらった言葉はどれも、絶望に至った道を振り返るものではなく、これからを明るく照らしてくれる言葉だった。言葉の意味が理解出来ると、私も次第に笑顔になり、絶望を受け入れることが出来た。今考えても、恵まれた環境に身を置くことができ、周りの人々に支えられて今の自分がいるのだな、と思う。本当にありがとう。

 覆すことが出来ない現実を目の当たりにすると、目の前に浮かぶ文字はゲームオーバーなのかもしれない。もちろんコンティニューは出来ず、どうすることもできない。ただ、壁にぶつかって後戻り出来ずとも、T字路のように横道はいくらでもある。横道のその先にも様々な分岐が待っている。私はその中から一番楽しそうな道を選ぶようにしている。どの道を選んだとしても後戻りは出来ず、また壁に当たることだってある。だったら一番楽しそうな道を選んだ方がいいじゃないか。そう思うと、終わりは次の楽しい道を探す始まりなのかもしれない。選んだ先が険しい道のりであったとしてもどうせ後戻りは出来ないんだ、とりあえず楽しんでこう。

(数学科 朝山)





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