一週一言インデックス

2022年6月13日月曜日

何も後悔することがなければ、 人生はとても空虚なものになるだろう

今週の一週一言

                                  6月6日~6月12

何も後悔することがなければ、

人生はとても空虚なものになるだろう

フィンセント・ファン・ゴッホ

フィンセント・ファン・ゴッホ(18531890

オランダのポスト印象派の画家。その壮絶な人生と情熱から「炎の画家」と呼ばれる。

1888年から1890年には花瓶に挿された向日葵を7つ描き、そのうち6つが現存している。

【如是我聞】

 休日のうちの姉妹。5歳の長女のことが大好きな1歳の次女は、「ねぇねー♪」とほっぺを付けてギューッと愛情表現をする。ギューッを「じゅーっ」と言うところもまた可愛い。長女も妹思いでとても優しい。リカちゃんとアンパンマンをそれぞれ手に持ち、ごっこ遊びをするのが最近の2人のブームである。私はその間に昼食のお皿を洗い、さて紅茶でも…と椅子に座るのだが。ここでいつも不穏なやり取りが聞こえてくる。「貸してー」「いややー」、「ねぇ貸してよ!」「いや!いや、いやぁぁぁあああー!!」幸せな時間は長く続かない。リカちゃんのお買い物カートの取り合いだ。長女の肩を噛もうとする次女を抱き上げるが、今度は長女が床に突っ伏して泣く。カオス。泣き疲れた2人が寝たあと、私はティーパックを入れたままの渋く冷めた紅茶を飲む気にもなれず、薄暗い部屋で録り溜めたドラマを無音(字幕)で見る。

 いや、私の人生が空虚だとか、そういうことではない。確かにショッピングに行ったり、友人とお茶をしたりしたいときもあるが、これは自分の選んだ生き方である。それよりも、娘たちのやり取りを見ていると、私自身が色々と考えさせられることがあるように思う。

昼寝から起きると、長女は「さっきはごめんね」とお気に入りのおもちゃを貸す。次女は何があったか忘れているようだが、嬉しそうだ。「悪いことをしてしまったな」と反省している長女を見て、日々素直に反省できていない自分を思う。

幼い子どもでも学生でも立派な大人でも、気に入らないことがあると、無視したり意地悪をしたり、時には暴力をふるうことがある。上手くいかない、思い通りにいかないということに、私たちは悩み、時に間違ったことをしてしまう。誰かに注意されると、さらに思い通りにいかないので、言い訳をして逃げようともくろんだり、自分を注意する人をうっとうしいと思うこともある。知恵が付けば付くほど、私たちは厄介になっていくのかもしれない。

「私は正しい」というところに立っていれば、謝ることも反省することもなく生きていくことができる。しかしそれは同時に、人をねじ伏せたり、気の合う人と陰口を言いながら小さな世界で生きていくということになる。私たちは他人のミスには敏感であるが、自分の間違った思い込みには気付くことができない可哀そうな生き物だ。そして条件がそろえば、どんなに「いけない」と言われていることでもしてしまう危険な生き物でもある。自分自身のそうした危うさに気付き、反省し、後悔しながら生きることは辛いことかもしれない。しかし人生においては、最も大切なことの一つであるに違いない。

※失敗を恐れて何にも挑戦しない人生は空しい。後悔することになっても挑戦するべきだ。ゴッホはそう言いたかったようですが、如是我聞として書かせていただきました。(宗教科・英語科 高橋愛)





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