今週の一週一言
10月21日~10月27日
しずかに急げ
カエサル
カエサル・・・前100年頃~前44年 古代ローマ平民派出身の政治家。第1回三頭政治、ガリア遠征などで独裁権を得る。『ガリア戦記』などの著作でも知られる。ラテン語でガイウス=ユリウス=カエサル。英語ではジュリアス=シーザー。
【如是我聞】
カエサルは何を急いでいたのでしょう。「しずかに急げ」の出典は明らかではありませんが、ルビコン川を渡る時に、部下に命じたことばかもしれません。
私たちは毎日、様々なことに急かされて生活しています。しかし、忙しさを言い訳に、たくさんのことを先送りにしてしまっています。ひょっとしたら、どうでもいいようなことにまで急かされているのかもしれません。では、私たちが本当に急がなくてはならないこととは何でしょうか。
蓮如上人は「仏法には、明日と申す事、あるまじく候う。仏法の事は、いそげ、いそげ」とおっしゃったといいます。私には上人が「何をぐずぐずしているんだ!本当に大切なことに目覚める時は、今をおいてほかには無いんだぞ!」と厳しい顔つきで叱りとばしたあと、一転優しい笑顔で「いそげ。いそげ。」と私たちを励ましてくださっているように思えるのです。本当に大切なこと、そして私たちが本当に急がなくてはならないこと。その答えの一つが本山(東本願寺)の壁面に大書してあります。「生まれた意義と生きる喜びをみつけよう」と。私は本山の前を通るたび、「そうやったなぁ」と思うのですが、通り過ぎるころにはもう別のことに急かされています。いそげ、いそげ。
(文責:や)